2009年5月30日土曜日

『ストーリーメーカー~創作のための物語論~』

『ストーリーメーカー~創作のための物語論~』
本書のように、プロットおよび物語の創作をシステム化しようと試みるのは面白いと思います。
著者はシステム化することで物語はコンピュータにも創造可能だと考えているようです。
とても学者派の考え方で、試みもやり口も熱意を感じます。
しかし、とても言い回しが回りくどく、簡単に話せばいいところも冗長です、かなりイライラします。
後半のそのシステム「
ストーリーメーカー」、このように質問・回答によって組み立てようとする方法はやり口としてとてもよさそうです。
しかし、そのようにしたならば、その答えを本当にただ並べるだけで、全体が完成を見なければならないはずです。そうでなければ決してシステム化したとはいえないのではないでしょうか?
この
ストーリーメーカー」は質問に回答することで自分の考えを整理することはできるかも知れませんが、最終的にQ28のグラフにまとめたり、Q30にすっきりと書き入れるためには、これまでに回答した内容を切り出し、貼り付けなおし、再構成して、練りなさねばなりません。
それならば、1枚の紙に書き付けたメモの断片をくみ上げるのと大して変わらず、それは何も新しくはありません。
システムとするからには部品は再加工することなく「組み立て」でなければならないと思うのです。

制作・©:のぼる/N.Lab