2012年3月11日日曜日

アナログ映像とデジタル映像に関する書籍

もう、誰も教えてくれない 撮影・VFX/CG 「アナログ基礎講座I」
久しぶりに面白い本を手にしました。
ともすると、PCの前で、そしてインターネット検索で、ほとんど、あるいはすべて済ませてしまえる現在のCG映像製作、それは確かに便利で、とは言えどぜんぜん手軽ではないけど、でも便利であるけれど、やはりライブにおける緊張感や一期一会感はまた違った持ち味や強烈な出会いをもたらすことがあります。
この本ではデジタルの手法のよさを的確に認めたうえで、アナログの手法について教えてくれます。
もちろん私どものようなCG映像を手がけている者はそれをよく意識しているものですが、改めて言葉にまとまっているというのは、とても重要なことに感じます。値段も内容にくらべて安いし、ソフトカバーでカバー表紙が無いのも読みやすくて効率的、全部の本はこれでいい。

テクニカルアーティストスタートキット -映像制作に役立つCG理論と物理・数学の基礎-
こちらもとても面白い。もちろん役立つものです。値段はちょっと高いけど、まぁ仕方が無い。
私などは主にパーティクルをよく扱いますが、そうした局面ではこれらのことをよく知っていなければ、誰にでもできる表現にとどまってしまいます。ほかの誰にもできない表現を持つことは困難ですし、そこまでになる必要もあまり無いですが、誰にでもできることをやっていてもおもしろくは無いですね。でも僕は個人としてはこうした職業はほとんどの場合アーティストとは言わないと思います。アーティストとは、独自の企画・表現で立つ人のことであって、他人が考えた企画を手伝う立場の人を指すものではないと思うからです。私はアーティストではなくアニメーターです。

制作・©:のぼる/N.Lab